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覆面作家企画8 Aブロック感想+推理メモ

こちらは「覆面作家企画8」Aブロックの感想と推理メモになります。
ネタバレにはそれほど配慮していません。推理もそのまま載せておりますのでご注意ください。
(05/25 一部推理を変更しました)
感想と推理 
意気込みあとがき

A01 糸子教授の人生リセット研究所

感想
あやさんの素性がわかったところでこれどうオチるんだろうと思ったら、なるほどー。すごく面白かったです。人生は人の手に出るんですよね。出てくる台詞の一つ一つが含蓄あって、ラストは爽やかですらありました。
メモ
擬音と擬態語が全てカタカナ。でも「にこにこ」はひらがなだった。文章の感じはところどころ硬く、女性の口調は古風。「わかる」「嬉しい」「まあ」の後に読点を置かない。
推理
川辺都さん
「わかる」「嬉しい」「まあ」の後に読点を置かない、一致。擬音、擬態語がカタカナなのと文体、女性の口調がほぼ一致してるように思います。
参考文献
「音色の研究」

A02 アフロディーテーの手

感想
AIの健気さ(といっていいものかどうか)とは裏腹に、埋めようのない切なさを感じるお話でした。指輪の真相が辛い…。でも最後のやり取りは人とAIの「違い」を感じさせて好きです。
メモ
「怖い」「良い」「巧く」「未だに」「なにより」「かしげる」「すべて」「けれど」「声をかけた」「できる」「ぁ」。漢字が連続しても読点を使わないタイプの方。
推理
巫 夏希さん→すずさん
「未だに」「良い」「なにより」「かしげる」「すべて」「けれど」「声をかけた」「できる」「ぁ」が一致。「怖い」と「巧く」は見つからなかったのですが、この方だと思いました。
参考文献
「鐘山に迷う」「オフサイドトラップ」

A03 導かれた先は

感想
日常の謎としてすごく面白いお話でした。お兄ちゃんは典型的な名探偵キャラですが、妹への優しさがちゃんとあるところがすごく好きです。タイトルの意味が気になりますが、おじさんの正体と合わせて「魔術師の選択」ということ?
メモ
情景描写がとてもしっかりしている方。構成力から見ても、ミステリ系を書き慣れてる方じゃないかという気がしました。「訊ねる」「分かる」「気づく」「思った訳」
推理
すずさん→水城翼さん
「訊ねる」「分かる」「気づく」「思った訳」全て一致しました。行動をていねいに追い駆けるタイプの作風であることも、この作品の可能性もあるかと…。
参考文献
「ひかりのかみ」「Air」

A04 地面に手が生えていた

感想
小学生の行動力すごい! オチは思わずにやにやしてしまいました。しかしこの手の人は手の込んだことをするものだ…。少なめの文章で鮮やかにまとめてるのがすごいなと思いました。
メモ
「分かる」「身体」「何だ」「良いんじゃ」台詞回しがこのブロック内ではかなり独特な方ですが、これはフェイクなのか素なのか…。
推理
楠瑞稀さん→アヤキリュウさん
「分かる」「身体」「何だ」「良いんじゃ」全て一致。台詞回しも、なくはないかな…?と思うのでここで。
参考文献
「君に託して」「ジェーン・エア――女神の息吹」

A05 現代人外住宅事情

感想
めちゃくちゃ怖い話でした…。コメディにできそうな筋書きをあえてそうしない、というあたりが潔くていいです。この後の展開を思うとぞっとしますね。
メモ
空行少ない方。「無くなって」「子供」「分かる」「恐い」「気づく」「首をかしげた」「居る」割と読点多めの文章。
推理
水城翼さん→巫 夏希さん
「無くなって」「分かる」「恐い」「気づく」「居る」は一致。あと座敷童ちゃんの口調、アヤキさん、橘さん、巫さんだったらこの方しか考えつかなくて…。
参考文献
「スマイリングヒューマン -僕が恋をしたのは、殺人鬼だった-」「ヴァーチャル怪盗、野々上莉音≪バロネス・ルパン≫」

A06 魔女と秘密の88手

感想
終盤までそういうことかとにやにやしながら読んでたんですが、ラスト数行で一気に謎が増してしまいました…。探偵とは? 余分な八手って何? もしかしたら読み違えた? 他の方の感想を読みたいです。
メモ
改行少なめなのはフェイクかなどうかな。「良い」「子供」「分かる」「例え」一文かなり長めの方。
推理
御桜真さん
読点を割と文の序盤に置くタイプの方。リズムが第七回作品と似ている。「良い」「子供」「分かる」「例え」全て一致しました。
参考文献
「花は地に落ちて」「赤無垢の花嫁」「夜のあしながおじさん」

A07 最果ての巫女

感想
一文一文が美しいだけではなく、物語自体も美しくてうっとりしました…! 続きが読みたい! 灰白もすごくきれいなお名前ですから、本当のお名前もさぞかしお美しいのだろうという予感がします。
メモ
文章の密度がかなり高め。単語も難しいものが多いので、普段からこういう文体の方だったら当てやすそう。「わかる」「気付く」会話の中に――あり。
推理
三樹さん
文章の密度はサイト作品と一致。あと終盤に長台詞で畳みかける作風も一致しました。
参考文献
「籠の中の春」「俎上」

A08 巡り巡って

感想
単にいい話というだけではなく、何もかも引き受けるのではなく、現実的な着地点にオチを持ってくるところに作者様の考え方が現れている気がしました。ナツキがすごく子供らしくて可愛かったです。高橋名人の教えを覚えてる!
メモ
「じゃあないか」ジョジョファンかな。「子ども」派の方。「狡い」「判ってる」
推理
骨平正樹さん
「判る」がこの方しか見当たらなかったのと、文章、特にモノローグの改行の少なさ、密度から。
参考文献
「涙雨との思い出話」「恋する吸血鬼」「寄る辺なき紫煙」

A09 手を貸した話

感想
正統派怪談系のお話。オチがはっきり明示されてないのが余計に怖いです。親切心からとは言え、大事なものを安請負で貸しちゃうのはやっぱりよくないですかね…。
メモ
語りかけ口調は難易度高そう。でも「サッカー台」と呼ぶ人って実はそんなに多くない気がしてます。漢字ひらき気味、読点多め。「首をふり」「おそらく」
推理
織人文さん
読点の多さ、漢字のひらき具合。前回も語りかけ口調の作品でしたからどうかなーという迷いもあるのですが、このブロックでは少数派の「わかる」の方ですし…。
参考文献
「想うはあなた一人」「身代わり」

A10 ハンスと五本指の魔法

感想
こちらは正統派童話。昔読んだ北欧の童話に雰囲気が似てる気がしました。次々と起こる問題を解決するやり方がユニークで、鮮やかで面白かったです。ハッピーエンドなのもいいです。
メモ
「肉刺」にだけルビがある。爪を擦る擬音「きゅいっ」が独特な気が。
推理
アヤキリュウさん→楠瑞稀さん
「分かる」「身体」「良い」といった漢字遣いがアヤキさんと同じで悩みました…が、「訳」を使う方ということでこちらに。
参考文献
「清く正しく爺さまと」

A11 黄昏時にその店は開く

感想
人情もの。出てくる人がほぼいい人ばかりなので、オチに対する安心感がありました。話題のこども食堂ってこんな感じなのかな。
メモ
地の文は簡素で説明最低限、台詞で話を進める作風。心の声を()であらわすシーンあり。「ぁ」「分かる」「かけて」「嬉しい」
推理
藤原湾さん
人情味あふれるいい話と言えばこの方(といって前回は外しましたが…) 現代ものの台詞回しも似ていたと思います。「ぁ」「分かる」「かけて」「嬉しい」も一致。
参考文献
「染まる」「今日は『ハレ』の日」

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