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家族の肖像(4)

 それまでずっと、誰とも口を利いていなかったわけではない。
 家の中では父と新しい母に毎日挨拶をしていた。登下校に使っていた駅で駅員に声をかけられたら、礼儀正しく返事をした。学校での授業中、教師に当てられればきちんと答えたし、意見を求められればその都度発言もした。教室でも部室でも、必要最低限の会話はしてきたつもりだ。
 だが柄沢雛子との会話は、そういった無味乾燥のやり取りとは一線を画していた。

 彼女は俺と話す時、いつもじっくりと考えてみせた。
「柄沢、この間の本はもう読んだのか」
 俺が問いかけると彼女は決まって背筋を伸ばす。
「は……はい、読みました」
「では感想を聞きたい。俺はあの話はなかなか気に入った」
「わかりました。ええと……」
 考えを馳せるように、彼女は眼鏡の奥の目を伏せる。そしてしばらくの間、こちらが焦れるほど考え込んでから、ようやく答えを口にする。
「先輩とは違う観点の感想になるかもしれないんですけど――」
 そういう時、いつも彼女は控えめに微笑んでいた。
 読んだばかりの本について感想を語る時。俺が感想を述べた後、彼女にも意見を求めた時。その本の同じ作者の別の作品について思い出そうとする時。どの場面でも柄沢雛子は、旧式のコンピュータのようにじっくりと思索の時間を経てから口を開いた。答えを導き出せたのが嬉しいというように、少しだけ微笑むのもいつものことだった。
 俺には、その思索に耽る時間が無駄なものに感じられてならなかった。考えに考えた末、俺を落胆させるようなつまらないことを口にすることもあったし、読書において俺が気にも留めないような瑣末な点にこだわってみせたりもした。それでなくても彼女と俺は読書について違う点に重きを置いているようで、彼女が語る感想は感情的に過ぎるきらいがあった。また彼女は物語の結末を大変に重視しているらしく、たとえ過程が混迷を極めても結末さえ素晴らしければいいと思っているふしさえあった。そういう考え方は俺には全く理解できなかった。
 彼女との会話が何もかも全て楽しかったというわけではない。望んだ答えが得られずに空振りに終わり、こんな不毛なやり取りに終始するくらいなら、いっそ話しかけなければよかったと思う日もたくさんあった。しかしそういう空振りや、彼女に対して抱く失望や落胆が、かえって彼女という一個人に対する関心、興味を引き立てた。
「……今日は、お役に立てなくてすみません、先輩」
 俺が彼女のつまらない意見に落胆した時、彼女に謝られたこともあった。
 謝られたところで何か解決するわけでもなく、こちらが許すような話でもない。
「いや、いい。また別の本を読んだら聞かせてくれ」
 だから俺が話を終わらせようとそう応じれば、柄沢雛子は例によって控えめな微笑を浮かべた。笑いたいから笑ったというよりも、笑いながらも未だに何かを考え、思っているような、そんな表情だった。

 人の行動には全て理由があり、その裏側には意識があるものだ。
 俺が両親に捨てられたのも、小さな頃にクラスメイトからいじめられていたのも、現在の俺が周囲から疎まれているのも、澄江さんだけが俺を慈しんでくれたのも、全て理由があり、意識があり、感情があってのことだ。俺はそれらを理解していたから、かえって深く考えたくないと思っていた。考えてしまえば酷く惨めな気分になるからだ。
 だが柄沢雛子の行動原理についてだけは、いくら考えてもわからなかった。俺の言葉に思考を始める彼女の心が、何を思い、どの答えに辿り着き、そしてどんな言葉を紡ごうとするのか。彼女が口を開く前に何度か予想してみたこともある。だが俺の予想はたびたび裏切られ、俺は彼女に失望したり、落胆したり、時に思いがけない答えを得て興味深いと感じた。
 そのうちに疑問が湧き出てきた。
 彼女はどうして俺と話をしてくれるのだろう。
 どうして、俺の問いかけに時間を割いて、じっくりと考えてくれるのだろう。
 当時の柄沢雛子は、会話の質はさておくとしても話し相手としては従順で、実に便利な存在だった。文芸部で話しかけた際、彼女が俺との会話を拒もうとしたことは一度としてなかった。柄沢、と呼びかければ読書の最中であろうと書き物をしている時であろうと必ず手を止め、顔を上げてくれた。俺がふっかける質問や議論にも、嫌な顔一つせず真剣に考え、意見をくれた。それでいて余計な話を彼女の方から振ってくることはなく、俺が黙ると向こうも黙ってくれるのがありがたかった。
 俺は彼女を都合のいい話し相手だと思っていて、そういう相手を得たことを喜んでいたにもかかわらず、時々無性に苛立ちを覚えるようにもなった。
 なぜ彼女が俺を疎ましがらないのか、考えてみてもちっともわからなかった。
 読書を趣味とする同好の士だからだろうか。部活動の先輩には逆らえないと思っているせいだろうか。彼女が俺を友達にしたがっているとはあまり思えなかった。文芸部でこそ隅に追いやられている彼女だったが、校内の他の場所で見かける時はクラスメイトらしき友人に囲まれていて、部活では見せないような明るい笑みも浮かべていた。彼女が俺を同じように友達扱いしているとは到底思えず、だからこそ一層苛立つ羽目になった。
 さざ波立つ内心に気づきながらも、俺は彼女との会話を続けた。
 そのうちに本の感想だけではなく、自分で書いた作品を読んでもらうようにもなっていた。文芸部でも創作物に対する感想のやり取りはよくあることだったが、馴れ合いの空気が充満する部内では後輩が先輩の作品を批判してはいけないだの、一つ貶したら一つ誉めるようにするだのというくだらない暗黙の了解があった。だから俺は柄沢雛子にだけは、忌憚のない意見を述べるようにと釘を刺しておいた。彼女もこの頃には俺がどのような感想を求めているのか理解するようになっていて、いくらか役立つ批評や助言をくれた。

 彼女と過ごした短い高校生活のうち、忘れがたい記憶が一つある。
 あれは冬に入ってすぐの話だ。俺は父親から進学を許され、志望校への推薦入学も決めていた。文芸部の三年生は文化祭が終了すると部活に顔を出さなくなるのが普通だったが、早々と受験勉強から解放された俺は後輩たちの迷惑も顧みずに部活へと再び通い始めた。あの部室の居心地がいいからというのが最もたる理由だったが、他の理由が何もなかったと言えば嘘になるだろう。
 その時期でもやはり、柄沢雛子とはよく部活で顔を合わせた。たびたび部室で二人きりになった。俺たちは読書や創作についての意見を交わしたが、それ以外の不必要な会話はせず、沈黙している時間の方が長いほどだった。
 当時、部室の鍵は司書室にあり、部活に参加する上級生が受け取りに行くのが決まりだった。もちろん帰り際の施錠も上級生の役割だったから、二人きりの部活動が終わると俺は彼女を先に帰すようにしていた。
「そろそろ下校時刻だ」
 俺が逐一説明する必要もなく、それだけ告げると柄沢雛子は本を閉じ、黙って席を立った。そして自らの立ち位置を弁えるように手短な挨拶をする。
「お先に失礼します、先輩」
「ああ、また今度」
 返事をすると彼女は頷き、一人で部室を出て行く。その足音が遠ざかり、完全に聞こえなくなってから、俺もまた一人で施錠と司書室への挨拶を済ませた。それから下校するのが常だった。
 それでも時折、先に部室を出たはずの彼女の姿を駅で見かける機会があった。
 彼女も電車通学をしているらしく、俺とは逆方向へ帰るようだ。二本の線路を挟んで向こう側にあるホームに、ぽつんと佇んでいるのをよく見つけた。あの銀フレームの眼鏡は遠くからでもよく目立ち、線路越しの距離があってもすぐに彼女だとわかった。
 その日も柄沢雛子は反対側のホームに立ち、文庫本を片手に電車が来るのを待っていた。銀フレームの眼鏡は間違いなく彼女のものだったし、結んだ髪ごと襟元を包んでいる白いマフラーにも、水色のダッフルコートにも見覚えがあった。何より十二月の寒さの中、あえて手袋だけはせずに読書に没頭するほどの本好きなど、彼女をおいて他にないだろう。彼女の方は読書に夢中なせいか、俺にも俺の視線にも気づく様子はなかった。こちらとしても気づかれたところで挨拶をするような距離でもないし、気づいてもらいたくもなかった。
 少しすると、ホームのどこかで誰かが歓声を上げた。
 俺は酔っ払いが騒いでいるのかと一瞬眉を顰めかけたがそうではなく、塾帰りらしい数人の小学生が、空を見上げて騒ぎ始めただけだった。
 つられて見上げてみれば、空に雪がちらつき始めていた。冬らしく早々に暮れてしまった空から細かな雪が降り出すと、ホームにいた人間は誰もが次々に面を上げ、今年初めての雪をその目で確かめた。人々の吐く白い息が雪を迎え入れるように上へ上へと立ち昇り、すぐに夜空へ溶けていく。幾人かは初雪を喜んでいるのかたちまち表情を輝かせ、小学生たちははしゃぎながら雪合戦の約束を始めていた。
 俺は雪が、そして冬があまり好きではなかった。冬になると実家の隅にある俺の部屋は酷く冷え込んだ。電気ストーブが一台あったが、帰宅してから電源を入れると暖まるまでしばらくかかった。夕食もいつもその部屋で、一人で食べていたから、悴む手が動くようになるまで空腹に苛まれることもしょっちゅうだった。
 その時ホームに居合わせた大多数の人々とは反対に、俺は忌々しい気分で空から落ちてくる雪を眺めていた。それからふと、何気なく、向こう側のホームに目をやった。
 白い光に照らされた遠くのホームで、柄沢雛子もまた空を見上げていた。
 手にしていた文庫本はすっかり閉じてしまって、今は眼鏡越しに見る雪に夢中のようだ。見とれたように薄く口を開けているのがこの距離からでもわかった。表情まで全て把握できたわけではなかったが、微笑んでいるように俺には見えた。
 本よりも雪に夢中になるくらいだ。きっと彼女は、冬が嫌いではないのだろう。

 不意に、胸の奥底でぽっかりと大きな穴が開いた。
 今までは考えもしなかったことをその時思った。恐ろしく絶望的で、空虚な気持ちが俺を支配して、しばらく彼女から目を離せなかった。
 柄沢雛子はこれからどこへ帰るのだろう。
 雪を喜べる彼女には、もしかしたら暖かい家があるのかもしれない。彼女の為に灯された明かりと、彼女の為に暖められた部屋と、彼女の為に作られた温かい食事が待っているような家が。
 本当ならそれが普通だ。普通の子供には当たり前のようにそういうものが与えられるのだと俺は知っていた。彼女が例外であるとはとても思えなかった。
 彼女がどこへ帰るのか、知りたいようで知りたくなかった。
 彼女が暖かい家へ帰り、家族に迎え入れられ、幸せそうに過ごす姿を想像すると酷く空しい気持ちになった。心のどこかで俺は、彼女も同じ境遇であって欲しいと思っていたのかもしれない。そういう相手ではないからこそ、彼女との会話が時として酷くつまらなく、無意味で、望まない答えばかりになるのかもしれない。
 だが同時に、彼女の気持ちを知りたいと思った。恐らく普通の、温かい家庭に生まれ育ったであろう彼女は、ではなぜ俺のような人間と話をしてくれるのか。人との接し方も知らないような人間の背後に機能不全の家庭を見て、関わるべきではないと疎むのが真っ当な感覚ではないのだろうか。普通の幸せも、温かい家族も、笑いあえる友達も知っている人間が、俺のような人間と話したいと望むようなことが、果たしてあるものだろうか。
 彼女への興味は募る一方だった。
 そして冬の訪れは、彼女とのささやかな交流の終わりでもあった。三年生の俺は卒業を控えており、卒業後はもう文芸部に足を運ぶこともできなくなる。柄沢雛子とも会う理由がなくなるとわかると、それが無性に惜しくなった。寒い冬は好きではなかったが、この冬はこと忌々しく、追い返したくなるような季節だった。

 柄沢雛子を話し相手として、卒業後も手放さない為にはどうすべきか。
 考えた末、俺は彼女に、彼女の心中を確かめることにした。

 だが、その時の一連の会話については思い出したくもないので割愛する。
 俺は彼女に、なぜ俺と話してくれたのか、俺との気まぐれな会話をどう捉えていたのかを尋ねたかっただけだった。しかしどう切り出すか、どのように尋ねるか思案に暮れる過程で、俺の疑問及び好奇心は明後日の方向へ飛躍した。
 なぜあの時、『話し相手になって欲しい』もしくは『友人になって欲しい』と申し込まなかったのか。
 答えは実にわかりやすいところにあったが、俺は考えないようにしていた。赤の他人、それも異性に対して抱いた初めての感情を直視する勇気はなかった。ただ意外にもと言うべきか、予想通りと言うべきか、柄沢雛子はこちらの申し出を易々と受け入れてくれた。結果、俺は彼女の心中を全て理解した気になり、後になって実は何も理解していなかった事実を知って散々な目に遭わされた。
 柄沢雛子は俺が初めに想像していたような、気弱で従順な文学少女ではなかったのだ。

 あれから一年と数ヶ月が過ぎ、迎えた大学二年の四月、彼女はまだ俺の傍らにいた。
 大学に進んだ俺は念願の一人暮らしを始めていた。その部屋にいつしか彼女が頻繁に訪ねてくるようになった。現在の彼女は当時の俺と同じ、高校三年生になっており、しかし銀フレームの眼鏡もその奥の黒目がちな瞳も、二つに結わえた黒髪も色白の顔も当時と何ら変わりなく、初めて出会った頃のままだ。
 変わったのは俺に対して向ける控えめな微笑の、その裏に潜む意味合いだけだろう。
「――来週の日曜日は、先輩のお誕生日ですよね?」
 今日も俺の部屋を訪ねてきた雛子は、やぶからぼうにそんな話を持ち出した。
 俺は驚き、思わず卓上カレンダーに目をやった。澄江さんの元を離れ、誕生日を祝わなくなってから大分経つ。俺自身、四月二十九日は何の意味もない、ただの休日として捉えるようになっていた。
「そう言えばそうだったな」
 しかし、誕生日の話を彼女にしたことがあっただろうか。もし尋ねられれば隠すことでもないし、正直に話していただろう。また、何かの折に学生証を見せたことがあったような気もするから、その時に目ざとく日付を見つけ、覚えていたのかもしれない。
 どちらにせよ現在の俺と彼女は、会話の中でそういう話題が持ち上がってもおかしくない程度には、世間話もする間柄だった。
「もしかしてお誕生日をお忘れでしたか」
 雛子が眼鏡の奥で瞳を丸くする。
「いや、先月までは覚えていた。国民年金の照会が来ていたからな」
 俺は正直に答えた後、なぜか懐かしい気分が込み上げてくるのを自覚して、思わず彼女に感謝を伝えた。
「お前、よく覚えていたな」
 しかし、言葉を選んだせいだろう。俺の感謝は上手く伝わらなかったようで、雛子はむしろ不思議そうに俺を見ていた。というよりもむしろ、誕生日を忘れる人間がいるのかと驚いているようでもあった。
 普通の家庭に育った彼女にとって、誕生日とは祝福されるべき幸せな日なのだろう。俺もそのことは知識として持っていたから、去年の彼女の誕生日にはありきたりなプレゼントを贈った。だが知識はあっても経験はなかった。祝われる経験を持ち、それを常識としている彼女と、そうではない俺の間には、今尚いくらかの隔たり、温度差が存在している。その埋めがたい差が時々俺を空しい気分にさせる。
 だが、彼女は俺の誕生日を覚えてくれていた。
 嬉しい、とはまだ言えない。とても懐かしい気がする。とても冷静ではいられない、急くような気持ちも湧き起こり、よくわからない心許なさにも囚われる。いくつもの感情が目まぐるしく動き、子供じみた空しさなど感じている暇はなくなる。
「できれば先輩のお誕生日のお祝いをしたいんです」
 俺の気も知らず、雛子は更にそんなことを言う。
 人に祝われるということに慣れない俺に、そういう申し出はまだ煩わしかった。今更ちらし寿司を作ってもらうような年齢でもない。どうしていいのかわからなくなるくらいなら、何もしてくれなくてもいい。
「要らない」
 きっぱりと断ったが、最近の雛子は食いついたら離れず大変にしつこい。気弱な文学少女の皮はとうに脱ぎ捨て、今ではわがままで扱いにくい女へと変わりつつある。俺は雛子の本性にずいぶんと手を焼かされてきた。いや、今も相当に手を焼いている。
「先輩にご迷惑はかけませんから」
「迷惑かどうかの問題じゃない。俺の誕生日なんて祝ってどうするんだ」
「せっかく節目のお誕生日ですし、私もお祝いしたいんです」
「要らないと言っている」
「何かさせてください」
「何もしなくていい。その方がありがたい」
 二十歳になろうとしている俺と、高校三年生になった彼女とは、こうして不毛な押し問答をするような間柄にもなっていた。
 こんな日が俺に訪れるとは思いもしなかった。話し相手としては十分すぎるほどおしゃべりで、今でも何を考えているのかわからないほど気まぐれで、だが俺と話をしたがり俺の傍にいようとしてくれるような人間が、俺の前に現われるとは。
「でも、先輩は去年、私の誕生日を祝ってくれましたよね。プレゼント、いただきましたけど」
 誕生日のお祝いを断固として拒む俺に、彼女は遂に去年の出来事を思い出し、切り札として用い出した。昔は俺が気に入る言葉を選び、俺の顔色を窺うそぶりさえ見せた彼女だが、本質はやはり生意気で意見をはっきり言う女だったようだ。
 痛いところを突かれた俺は思わず閉口したが、すぐに彼女への反論を考え始める。
 次に何を言い出すかわからない。そういう相手と話をするのが面白い。柄沢雛子は俺にとって都合よくもなく、今では従順ですらないが、最良の話し相手であることは疑いようもないだろう。
 この他愛ない押し問答を、俺は楽しいと思うようになっていた。

 二十歳になろうとする俺は、未だに誕生日を祝われることに抵抗がある。彼女に何かしてもらいたいとは思わない。ただ、傍にいて話をしてくれるだけでいい。
 だがいつかは俺も、まるで昔からそうしてきたように自らの誕生日を喜び、祝ってもらうようになるのかもしれない。彼女の常識がいつか俺の常識を侵食して、普通の家庭には当たり前に存在する幸いを、俺自身も当たり前だと思うようになる日が、いつかやってくるのかもしれない。
 物語や想像の中だけではなく、つくりものでもない本物の家族の肖像を、俺はその未来で手に入れられるだろうか。
 彼女がいれば、もしかしたら。
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