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神無月(6)

 もしも私の人生を一冊の本にしたなら、それはそれは平凡でありふれた物語だろう。
 だけど鳴海先輩には手に取って、是非とも読んでもらいたかった。ページをめくればわかるはずだ。ある時期を境にして、至るところに先輩の名前が綴られるようになったことを。読んでくれる人が、他に書くことはないのかと眉を顰めそうなほど、先輩の名前ばかり記されていることを。
 きっと実のない、くだらない物語だろうけど、私は先輩にこそ読んで欲しかった。
 悩む必要なんてないのだと、知っておいて欲しかった。

 鳴海先輩は呆然と私を見ている。唇が動いて、かすれた声を立てた。
「何を……お前は自分が何を言っているのか、わかっているのか」
「はい」
 私は目を逸らさず、しっかり頷いた。
 だけど先輩は信じがたいというふうにかぶりを振る。
「馬鹿なことを言うな。お前はまだ十七、いや十八の子供じゃないか」
「十八歳は先輩が思うほど子供じゃありません」
 きっぱりと反論しておく。
「先輩が十八の時よりは、今の私は子供っぽいかもしれませんけど……だからって何にも知らないわけじゃありません。何も考えてないわけでもありません」
 鳴海先輩は十八の頃、早く家を出たいと考えていたという。
 それに比べれば私は苦労知らずで、幼く頼りなく見えることだろう。ここまで実に安穏とした高校生活を送っているし、これまでに大きな苦難を味わったことも、深い悩みに陥り身を切られるような思いをしたこともない。平凡でありふれた人生だった。
 だけどその分、私は先輩について時間を割き、熱心に考えている。先輩に寂しい思いをさせたくない、ここまで深く悩んで欲しくない、私の手で先輩を幸せにしたい――まだ十八歳なりに、とても真剣に考えてきた。
「先輩にはそんなことで悩んで欲しくないんです」
 苦悩に歪む顔を見上げて、私は必死に訴えた。
「私も同じ気持ちだってこと、知って欲しいんです」
 途端、先輩は目を見開いた。どうにも私の言葉が呑み込みきれないという様子だった。
「同じだと……お前、ちゃんと状況を理解した上で言っているのか」
「もちろんです、先輩」
「まさか。お前がそんなことを考えているようには見えなかった」
「そんなのはお互い様です。言わなきゃわからないものなんです」
 私だって先輩の本心は言われるまでわからなかった。あの晩のキスにそんな意味合いがあったということだって知らなかった。たとえどんなに読解力に優れ、想像力も豊かな読者であろうと、常に完璧に心の機微を読み取れるわけではない。まして鳴海先輩のように包み隠すのが得意な人が相手なら尚更だ。
「軽蔑しますか、私のこと」
「まさか。だが……」
 先輩は額に汗を浮かべている。ふっと目を伏せ、ためらいがちに続けた。
「そこまで言うなら、どんな目に遭うか知らないわけじゃないだろうが、もし俺を庇う気で言っているなら止めておけ。俺はお前を犠牲にしたいとは思わない」
 有害な人間だとか、犠牲にするとか、どうして先輩はこんなにも後ろ向きに捉えているのだろう。おかしくなって私が少しだけ笑うと、先輩はいくらか癇に障ったようで低く唸った。
「笑い事じゃない。お前の為を思って言ってるんだ」
「私の為だと言うなら、少しは私の気持ちも考えてください」
 こちらからすれば、本心は先程から伝えている通りだ。鳴海先輩を有害な人間だと思ったことは今の今まで一度としてないし、自分の身を犠牲にして、などとヒロイックな妄想に酔っているわけでもない。
「わかってもらえるまで何度だって言います。私は、先輩と同じ気持ちなんです」
 ただ、繰り返して伝えるのは何と言うか面映いし、だんだん恥ずかしくなってくる。言うまでもなくこういう局面を迎えるのは人生単位で初めてのことだったし、それ以外でも私の恋愛経験なんてたかが知れている。堂々とし続けているのも限度があった。
 急に、心臓が早鐘を打つ。いや本当はもっと前から速くなっていたのかもしれない。実際のところ私は、それに気づく余裕さえなかった。
「い、いいじゃないですか。本当に好きな人には、そう思ったって……」
 言いながら、頬が熱くなるのを自覚していた。
「誰にでもそう思うっていうなら問題ありますけど、私の場合は、先輩だけですから」
 他の人にはこうは思わない。鳴海先輩だからこそだ。それだけ私は先輩のことがとても、心底好きだった――あの晩だって同じように伝えていたはずだけど、先輩には上手く読み取ってもらえなかったようだ。今日こそは読み誤らないでくれるといい。
 鳴海先輩は上気した顔で私をしばらく見つめていた。それこそ読書をする時と同じように熱意を持って、真剣に見てくれていた。そしてしばらくしてから、乾いた唇を動かして言った。
「俺もお前が好きだ」
 言ってから、なぜか自ら慌てふためいてみせる。
「いや、このタイミングで言うのは打算めいていてよくないな。しかし、ずっとそう思っていなかったわけでもない。口にするのは安っぽいようで、あまりにも陳腐で全てを伝えきれない気がして、言えなかっただけだ」
 そうして薄い唇には自嘲めいた苦笑いが浮かんだ。
「いつも代わりの言葉を探していた。それが上手くお前に伝わっていたか、伝えきれていたかどうかは掴みかねるところだが」
 どうだろう。先輩からしきりと勘が鈍いと評されていた私のことだ、きっとこれまでにも何度か読み誤り、先輩を密かに落胆させていたかもしれない。私としても先輩の言葉にはいつでも耳を傾け、余すところなく聞き入ってきたつもりだったけど、それでも取りこぼしてきた想いがあるのなら非常にもったいないと思う。
 だけど、今、はっきりと言ってもらった。
 どんな言葉よりもわかりやすく、読み誤りようのない、とても素敵な言葉を貰った。
 私はそれだけでよかった。今の言葉だけで十分、幸せだった。打算なんて思う必要はない。むしろ今こそ必要な言葉だ。
 あとはもう少し踏み込む勇気があれば――私は次に何を言うべきか、あるいはもう少し動くべきなのか、判断に迷っていた。ここまで随分と積極的な言動に出てしまったけど、自ら火蓋を切るほどの勇敢さはなかった。むしろ身体は緊張のあまり硬直して、意外と動いてくれない。行儀よく正座をしたまま、どうすればいいのか考える。どうしよう。どんなふうに切り出せばいいのだろう。
 と、そこで、鳴海先輩がパーカーを脱いだ。
 前置きもなく、更に何のためらいもなく、勢いよくがばっと脱いだ。いっそ思い切りのいい脱ぎ方だった。すぐに下に着ていた黒いTシャツが覗き、脱いだパーカーはすぐ傍の床に置かれた。
 そして私の視線に気づき、私の恐らく引きつっているであろう表情を見たのだろう。大慌てで弁明した。
「ちがっ……違うぞ、そういう意味で脱いだんじゃない! 暑かったからだ!」
「で、ですよね、そうですよね、びっくりした……!」
 急に臆したわけじゃないけど、いきなりのことに私の声も裏返った。心臓が痛いくらい速くなる。
 見れば先輩は十月の室温の割に随分と汗をかいているようだったし、頬も耳も熱せられたように真っ赤になっていた。確かに酷く暑そうに見えた。先の弁明も嘘ではないだろう。
 だけどそうは言われても私は動揺せずにはいられない。半袖の先輩が血管の浮いた腕を晒していると自然と目が行った。無駄のない男の人らしい腕も、その先にある骨張った手首も、大きな手のひらも、器用そうな長い指先も全部私にはないものばかりだ。憧れてしまう。
 私が見ていたせいではないだろうけど、鳴海先輩がふと腕時計をしている方の腕を持ち上げるようにして、もう片方の手で時計のベルトに手をかけた。一瞬の逡巡の後、巻きつけられた腕時計を外した。先輩がずっと愛用している年季の入った腕時計は、小さな音を立てて座卓の上に置いた。
 それで私は思った。――さっき先輩は違うと言ったけど、もうすぐ、違わなくなるのかもしれない。
 腕時計を外してすっきりした腕を、先輩はこちらに真っ直ぐ伸ばす。
「雛子」
 私の名前を呼び、私が返事もできないでいると両肩を掴んで抱き寄せられた。そのまま身体ごと引っ張り上げられて、先輩の膝の上に乗せられる。後ろから腕を回され、ぎゅっと抱きかかえられる。
「先輩……」
 私が呼び返すと、先輩は意外にもすぐ応えた。
「何だ」
「……いえ、何でも、何でもないんです」
 言いたいことがあるような気がするのに、見つからない。だから私は黙って目を閉じてみた。背中と着衣越しに先輩の身体の体温を感じる。触れた傍から溶けてしまいそうなほど、とても熱かった。
 それから目を開けると、先輩は私の顔を上から覗き込んでいた。そのまま軽く、数秒間だけ唇を重ねてきた。柔らかく、熱を持ったような唇が離れると、私は緊張を誤魔化すように尋ねてみる。
「チョコレートの味、しませんか?」
 私を見下ろす先輩が怪訝そうにした。
「いや、しなかった」
「さっき、食べたから……緊張してたせいで、味はわからなかったんですけど」
 それで先輩は短く息をつき、納得したように言う。
「だったら俺にもわかるはずないな」
 どうやら私たちはお互いに緊張しているらしい。そういうものだとわかっているけど、この空気が何だか居た堪れない。私が回された先輩の腕に縋りつくようにすると、先輩はこちらを窺うようにじっと視線を向けてくる。
「もっと可愛い格好をしてくればよかったです」
 見られているとくすぐったい。それでなくても今日はピクニック用の、いかにもカジュアルな服装だった。こういうことになるとわかっていたら、もう少し女の子らしい格好をしてきたのに。
「別におかしくない」
 言いながら、先輩は私の全身を興味深げにしげしげと眺めた。ますます恥ずかしくて、逃げ出したくなってくる。
 そういえば窓のカーテンが開いているはずだ。まだお昼時だから閉めている方がおかしいのだろうけど、雨の日だというのに意外と明るい光が差し込んでいて、私も先輩もお互いがはっきり見えていた。これから、見られるのだと思った。
「こんなことなら、ダイエットもしておくんでした」
 その言葉には、先輩ははっきりと否定の意思を示す。
「止めておけ。どうせ長続きしないし意味もない」
「でも、先輩は痩せてて素敵ですから。隣に立つなら痩せないとって……」
「どこが。痩せぎすでみっともないだけだ」
 鼻で笑った先輩が、片手で私の脇腹に触れる。びくっとする私をよそに数回撫でた後、大きな手のひらで軽く揉まれた。
「それに、俺は柔らかい方がいい」
「ちょっ……揉まないでください、傷つきます」
 くすぐったさに思わず声を上げそうになり、どうにか堪えてみたけど、ふっと息が漏れるのは止められなかった。何だか過敏に思える自分の反応が恥ずかしい。雨音が弱いせいで恥ずかしいのかもしれない。もっと強く、うるさいくらいに降ってくれたらいい。
「羨んでるんだ。俺はこんなふうに肉がつかないからな」
 私からすればすらっときれいな身体つきをした先輩の方が、はるかに羨ましい。先輩の姿は遠くからでも、人混みの中にいたってすぐ目についた。背が高くて、細身で、何を着ていても本当によく似合って素敵だった。
「先輩だってみっともなくないです。私にはすごく格好よく見えます」
 そう告げると、先輩は唇で私の耳に触れた。さっきは熱いと感じた唇は今はぬるま湯の温度に感じられた。私の方こそ熱くなっているのかもしれない。
「格好いいはずがない。今日だって無様に醜態を晒した」
 鳴海先輩の低い声が耳元に聞こえる。
「……これから、もう少し晒すことになる」
 それは自虐的でもなく、謙遜しているようでもなく、確信があるような物言いだった。
「だが、雛子。俺はお前だから晒すんだ。お前だけに見ていてもらいたい」
 だったら私も目を逸らさずに、ずっと先輩を見ていよう。
 そしてそんなふうに言える鳴海先輩を、私はとても素敵で、格好いいと思う。

 結論から言うと、鳴海先輩はその後もずっと素敵で格好よくて、それにすごく優しかった。
 私は先輩の知らなかった一面を知ったけど、幻滅もしなかったし、無様だとも思わなかった。ますます好きになりましたと言ったら、先輩は笑ってくれた。

「今日は最高の誕生日になりました」
 私は先輩の胸に寄りかかり、幸せな気分で呟いた。
 先輩は壁に背を預ける形で、床の上に足を伸ばして座っている。そうして私を片手で抱き締め、もう片方の手では私の髪を撫でてくれていた。雨は弱いまま降り続いていて、お互いに黙った時だけ微かな雨音が聞こえてきた。
「こんな過ごし方でよかったのか。せっかくの誕生日なのに」
 私の髪を撫でながらも、先輩はどこか気遣うようにそんなことを言う。だから即座に言い返した。
「極論を言えば私は、先輩と一緒ならどこで過ごしても楽しいんです」
「それは安上がりで結構なことだ」
「おまけに今日は嬉しい言葉もいただけましたから。最高です」
「……今になって言われると、急に恥ずかしくなってくるな」
 先輩は照れたようだけど、私はあの言葉をずっと、生涯忘れないだろう。もちろん今日のことだってずっと忘れない。人生の新たな一ページとして必ず書き加えておかなければならない。当然、そのページにも鳴海先輩の名前が並ぶことになるはずだった。
「寒くないか、雛子」
 不意に先輩が尋ねた。
「大丈夫です」
 十月下旬、しかも雨の日では室温はそれほど上がっていない。だけど私は先輩にぴったりくっつくように寄り添っていたから、先輩の体温のおかげで全然寒さを感じなかった。
「先輩は寒いですか?」
 逆に聞き返すと、先輩は深く息をつく。
「俺も温かい。むしろ壁が冷たくて心地いいくらいだ」
 先輩の身体はまだしっとり汗ばんでいて、でもそれを不快だと思うことはなかった。それどころかずっとこうしていたいと思う――残念ながら今日も門限はあるし、いつかは離れなければならない運命だった。だから先輩さえよければもう少しだけ、こうしていたい。
「だが、布団を敷くべきだったようにも思う」
 真面目に反省している様子の先輩がちょっと面白い。首を捻りながらぶつぶつ言っている。
「こういうことはタイミングがわからないものだな。結局、言い出せなかった」
 それは私も似たようなもので、開けっ放しのカーテンを気にしつつも結局言い出せないままだった。外はまだ明るく、白っぽい光に溢れている。朝からずっとこんな調子で、止みそうで止まない雨の日だった。
 雨の日にまた一つ、忘れがたい思い出ができた。
 とは言え、幸せながらも少々気恥ずかしい思い出になるのかもしれない。今はまだこうして普通に寄り添っていられるけど、後で思い返す機会があればじたばたとのた打ち回ることになりそうな気がする。私はすごく緊張していたし、当たり前なのかもしれないけどちっともスマートに振る舞えなかった。むしろスマートさの対極にあった。
「こういう時の為に、もっと恋愛小説を読んでおくべきでした」
 私の言葉を聞いた先輩は微かに笑った。
「恋愛小説か。俺はあの手の本が書店で幅を利かせているのがずっと疑問だった」
「先輩の好みじゃないですもんね」
「ああ。他人がくだらんことで一喜一憂しているのを読んで、何が面白いのか」
 私からすればそれこそが恋愛小説の醍醐味だけど、先輩の読書傾向は知っているし、この先も読まないジャンルだろうなと思う。
 ただ、鳴海先輩は淡々と続けた。
「だが恋愛小説が多くの人間に読まれるその理由は、ようやくわかった気がする」
 興味を持って私は面を上げる。
 先輩もちらりと私を見て、真面目な顔で更に語る。
「それはな。恐らく恋愛というやつが、人生において避けがたい事柄だからだ」
「避けがたい……まるで災難か何かみたいな言い方ですね、先輩」
「似たようなものじゃないか。いつも突然やってきて、人を散々振り回す」
 そんなふうに語りながらも、先輩は優しく私の髪を撫でている。私が体重をかけて凭れかかっていても文句一つ言わない。ずっと抱き締めてくれている。
「運よく遭遇せずにいられる人生もあるのだろうが、いざ遭遇してしまえば誰にとっても避けがたく、逃れがたいものだ。こちらの意思なんかお構いなしで日常生活にまでずけずけと影響を及ぼし、睡眠と思索の邪魔をする。多くの者が同じようにそういう目に遭うからこそ、恋愛小説は興味を持たれるジャンルなんだろう」
 先輩の言うことにも一理ある。私にとっても先輩への想いは避けられないもので、気がつかないうちに強く惹かれていた。それが恋愛感情であるとはっきり自覚するまでには思いのほか時間がかかってしまったし、私たちの間にも紆余曲折、些細ないざこざがあったりもしたけど、それも含めてとても平凡な、ありふれた恋をしている。
「一度そういった憂き目に遭ったなら、後の選択肢は限られている。諦めるか、選び取るかだ」
 いつものような熱のない口調ながらも、先輩はしっかりと私を見据えていた。
「避けがたく、抗えない感情だったとしても、最後には俺自身がお前を選び取った。そう思いたい」
 その言葉に私は頷く。お互いに、間違いなくそうだ。
「選んでくれてありがとうございます、先輩」
「こちらこそ。……選んでもらった以上、後悔はなるべくさせないよう努める」
「大丈夫です。私は先輩といて、そういう意味で後悔したことは一度もありません」
「含んだ物言いだな。どういう意味でなら後悔したことがあるというんだ」
 それも今となっては些細なことだ。
 八月のあの晩、先輩にキスしてもらった時、寝たふりなどせずに起きてしまえばよかったなんて、少し思ってみただけだ。
 だけど過ぎてしまったことを悔やんでも仕方ない。今がとても幸せなのだから、あれはあれで私たちにとって必要な過程だったと思うことにしよう。
 ともあれ鳴海先輩は私の『後悔』が大変気になっているようだ。意味ありげに睨んでくるので、私は話を逸らすつもりで切り出した。
「先輩、お腹空きませんか」
 すると先輩は私を抱きかかえたまま腕を伸ばし、座卓の上に置かれていた腕時計を掴んだ。文字盤を確かめてから答える。
「いい時間だ。弁当もあることだし、一緒に食べるか」
「はい、いただきます!」
 私は張り切って返事をした。
 それで私の身体をそっと離した先輩は、傍の床に落ちていた黒いTシャツを拾い上げ、さっと素早く身につけた。その後でまるで少年のようなはにかみ笑いを浮かべた。
「しかし、弁当を作ってしまってよかったのか悪かったのか、わからないな」
 呟いたその声は、少なくとも後悔しているようには全く聞こえなかった。
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