Tiny garden

抱き寄せて口付けても

 映画を観たいと言うから、映画館へ連れてきたのに。
 俺は溜息をつく。すぐ隣には部下の星名さんがいる。スクリーンの光がちらつく館内、彼女の姿もちかちかと照らされている。そちらを見ればすぐにわかる、彼女がスクリーンの方を全く、横目にも見ていないことは。
 星名さんは眠っている。それはもう、ぐっすりと。
 静かなフランス映画はこちらに構わず続いている。付き合いで入ったとは言え、序盤は真剣に観ていた自分が馬鹿らしくなった。彼女が観たいと言ったからこの映画にしたのに。そうでなければもっと派手な奴を選んでいた。女の子と二人ならアクションありロマンスありのハリウッド映画か、そうでなければ抱きつかれることを期待してホラーなんかでもよかった。星名さんとではそのどちらも選べなかった。
 クリスマスイブの夜の初デート。しかしここまで下心の持てないデートも初めてだ。空しくなって、また溜息をついた。

 星名さんと俺は、社内でも微妙な関係にある。
 と言ってもオフィスラブだのアバンチュールだのとは全くもって無縁だ。俺はつい先頃社内で異動を食らったばかり。回された先は経理課課長、それまでは違う支社での勤務だったから、栄転とは言え慣れない土地での仕事は予想以上にきつかった。数ヶ月が過ぎた今でも軌道に乗った気がしていないし、土地勘もいささか覚束ない。
 彼女はその経理課の、いわゆるところのお局様という奴だ。もっともよくいるような、新人いびりをするようなタイプでは決してなく、どちらかと言えばあっさりした人あたりのいい性格。誰とでも当たり障りなく付き合おうとするのでさほど悪い評判は聞かないが、若い子たちからはそこはかとなく敬遠されがちでもある。話してみればわかるが何をさておいても『いい人』で、水清ければ魚棲まずとでも言うのか、付き合いづらいと影で囁かれるのも何となく頷ける女性だ。
 そういった評判はさておき、仕事の面ではとても頼りにできる人でもある。俺より三つ年上の三十二歳で、入社してからずっと経理畑一筋とのこと。もちろん業務内容にもずっと明るく、俺も異動してからはあれこれお世話になった。
 年上で、経理課の人間としてははるかに先輩。
 だけど立場上はあくまで俺の部下。
 そんな微妙な相手なので、たとえあっさりした性格の人でも、他のOLさんたちより接し方が難しかった。若い子たちは気安く呼べるが、星名さんは星名さんとしか呼べない。話しかける時も未だに緊張してしまう。

 今日のデートもほとんど勢いで決まったようなものだ。年末の死ぬほど忙しい時期、俺が片づけていなかった仕事に追われててんてこまいだったところを、星名さんが残業してまで手伝ってくれた。クリスマスイブなのに特に予定もなかったんです、と彼女が冗談めかして言ったから、じゃあこの後食事でもどうですかと俺の方から誘った。
「よろしいんですか? 課長は、今日はご予定は……」
 一歩間違えば失礼になりそうな質問も、彼女は天気でも尋ねるみたいにそっと聞いてきてくれる。
「予定があったら誘ってません」
 俺が苦笑すればなるほどと腑に落ちたような顔をして、それから控えめに笑った。
「じゃあ、ご一緒します」
 仕事を手伝ってくれたお礼と、日頃お世話になっている感謝の気持を込めて、と銘打たれたデート。下心なんて抱きようがない。向こうだって三つも年下の俺には変な期待なんぞしていないはずだ、迷いもせずに誘いに乗ってきた辺りにそれが窺える。
 クリスマスイブの夜は当たり前だがどの店も混み合っていて、行くあてには結構悩んだ。数少ない行きつけの店に三軒連続で振られた後、星名さんが提案してきた。
「よかったら映画を観に行きませんか? ホットドッグにポップコーン、それに飲み物も買い込んで。そしたら食事もできるし、映画も楽しめて一石二鳥でしょう?」
 安上がりなその提案には出資者としてさすがに迷ったものの、振られ続きでへこんでもいたし、十二月の寒空の下、残業後でくたびれてる彼女を長く立たせてはおけない。星名さんが是非にと言うので、結局二人でレイトショーを楽しむことにした。
「私、ずっと観たい映画があったんです」
 映画館の外にあるポスターの一つを指差して、うきうきと話す彼女の姿はまだ記憶に新しい。

 そして、今。
 ホットドッグを食べ終えた星名さんは、すやすやと安らかな眠りに就いている。
 俺は自分のドリンクとポップコーンの容器を手に、どうしたものかと途方に暮れていた。
 淡々と続くフランス映画は本当に静かで、音楽もひたすらスローテンポ。これがもっと騒がしい映画なら彼女を叩き起こしてくれたんだろうに。
 星名さんの寝顔がスクリーンの光を浴びて、青白く浮かび上がって見える。彼女の右隣は空席で、その座席と肘掛けに凭れかかるようにしていた。この時間の映画館はがらがらだからいいものの、そうでなければとんだマナー違反だ。――いや、曲がりなりにもデートに来ておいて寝入ってしまうというのも相当マナー違反ではある。そんなことも星名さんが相手なら言えるはずはない。
 ずっと観たかったはずの映画を放り出してしまうくらいに疲れているなら、俺の誘いも断ってくれればよかったのに。疲れているからと正直に言ってくれたら、こちらも無理には誘わなかった。そもそも本命相手のデートで寝てしまう奴は普通いないだろう。普段から割とあっさりしている星名さんなら、義理のデートの誘いを断ることは難しくないはずだ。それとも彼女としてはデートという認識はなく、むしろ上司からの誘いだからこそ断りづらかったということだろうか? それはそれで申し訳なくなる。
 こちらとしては、誘われた以上は放っておかないで欲しいし、観たいと自分から言い出した以上は最後まで観ていて欲しい。いくら義理の付き合いでも、この扱いは酷すぎやしないだろうか。俺だって寂しくないとは言わない。
「……星名さん、星名さん」
 声を落として名前を呼んでみても、その程度では起きそうにないくらい、彼女はぐっすり寝入っている――もっともこれは、後で『どうして起こしてくれなかったの!』と怒られない為の予防線。まあ、星名さんならそういうことは言いそうにないか。むしろ『ゆっくり寝かせてくださってありがとうございます』なんて口にしそうだ。
 案の定、繰り返し呼んでも彼女は目を覚まさない。右隣、空いている席の背もたれにしなだれかかったままでいる。客入りの悪いレイトショーでも他の客がいないわけではなく、俺も人目が気になってきた。コートを彼女に掛けようと、ジュースやポップコーンを置き、腰を浮かせかけた。
 その時だ。
 ふと、前方から視線を感じた。俺がそちらを見遣れば、数列前に座っていたカップルらしき二人連れと目が合った。途端に二人は前を向き、それからひそひそ話をするように頭を寄せ合う。ぽかんとする俺を、その後もちらりちらりと振り返ってくる。
 何せ今夜はクリスマスイブ。カップルが多いのも仕方ない。しかしあの二人は寂しい俺に見せつけてくれているだけというわけではないらしい。フランス語の台詞の合間に、嘲るような笑い声が漏れ聞こえた。
 馬鹿にしやがって。内心、むっとした。
 そりゃあこっちは微妙な相手との下心も持てないデートだ。お互いイブに予定もなく、残業を終えてきたばかりという寂しい者同士だ。その上彼女は寝入っていて、俺は興味もないフランス映画の前にひとりぼっちで放り出されている始末。幸せ一杯のカップル連中からすればあざ笑いたいような存在だろう。
 ああいう手合いは無視に限る。俺は星名さんにコートを掛け、それからそっぽを向く。スクリーンの方を見るといやでも連中が視界に入る。だからあえて通路の非常灯を見ていた。緑色の、あれもクリスマスカラーってやつなんだろうか。
 しかし俺の努力をも無視するがごとく、笑い声は尚も続いている。もそもそしたフランス語に混じって聞こえてくる。ちらと目の端に見てみれば、例のカップルはまだこっちを窺うように見ていた。男の方が何か囁くと、女が笑い声を立てながら男の肩をばしばし叩いている。どうやらあまり品のいい組み合わせではないらしい。
 相手にするものか、と思っていた。向こうはどうせガキだろうし、こっちはカップルですらない。馬鹿にされるのも仕方ない、言わせておけばいい。そう思っていた。
 でも、あまりに長く笑われ続けるものだから――さすがに切れた。

 俺は右に身を乗り出し、星名さんの肩に手を回した。
 一瞬、ためらいはした。こんなことをしておいて、それこそ地位をかさに着たセクハラだと言われたらどうしようかと思った。だが、それもプライドと苛立ちの前ではすぐに消散した。星名さんに聞かれたら、体勢が辛そうだから肩を貸してあげようとしたのだと言えばいい。これだけ寝入っていたら起きるはずもないだろう、とも思っていたから、結局行動に移した。
 彼女を肩ごと抱き寄せた。
 ろくな抵抗もなく、星名さんはくたりと倒れ込んできた。そのまま肩を抱き、彼女の頭が俺の肩に乗るようにする。彼女は目を開けない。穏やかな寝顔を見下ろしながら、俺は思わずにやりとする。
 前方のカップルに見せつけてやるつもりでいた。大人気ないふるまいだと我ながら思うが、あれだけあからさまに笑われれば見栄も張りたくなる。おあいにくさま、この通り幸せ一杯で、笑われるような身分じゃないんだ。心で呟きつつ視線を向ければ――。
 件の二人連れは、もうこちらを見てはいなかった。女は男の方を向き、首に腕を巻きつけている。男は女の後頭部を撫でるようにして、抱擁、あるいはもうちょっと進んだ何らかの行為をだらだらと長ったらしく続けている。夜遅くの映画館なんて所詮こんな客ばかりだ、ホテル代を出すのも惜しいのか、それともまだホテルには誘えない相手なのか、端から映画以外の目的で女を連れ込む奴もいる。
 でも俺だって、もはや映画は観てない。文句を言える筋合いじゃないのかもしれない。

 星名さんはまだ寝ている。
 抱き寄せてから見てみると、寝顔は穏やかで大人びている。隙だらけなのに隙がないようにさえ思えた。睡眠中だからなのか、彼女の体温はほんのりと高く感じられる。触れている肩とか、俺の肩に乗っている頬とか。
 うざったいカップルから目を逸らす意味でも、俺は星名さんを眺めることにした。元の位置に戻すことは考えなかった。見下ろせば、額から瞼までのラインがなめらかできれいだ。スクリーンからの光が青白いせいで、美術館にある石膏細工のように見えた。均されたようなな肌に陰影がくっきりと浮かび上がり、どこか冷たい、作り物めいた印象を受けた。
 当たり障りのない笑い方をするとか、あるいはあっさりした物言いの人だとは思っていたけど、だからと言って付き合いやすい相手ではなかった。職場に彼女より若い子はたくさんいるし、可愛い子だってもちろんいる。そういう子たちとはより気楽に話せた。星名さんだけが気楽になれない相手だった。まして職場ではお互いに微妙な立ち位置と来ているから、その顔をじっと眺める機会も今まではなかった。
 でも今はその機会を得ている。思っていた以上に星名さんはきれいだ。普段の温かみが失せた顔立ちは整い過ぎていて、本当に作り物なんじゃないかと空恐ろしくなるほどだった。まるで映画のヒロインがここで、俺の肩に頭を預けているような感覚。閉じられた瞼はもちろん、美しい額も、すっと通った鼻筋も、滑らかな頬も、薄くだけ開いた唇も全て青白く映っていた。息をしていないみたいに見えた。
 いや。していない、はずはないだろうけど。
 なぜかぎくりとして、窺うように唇に近づいた。血の気のない唇は傍で見るとふっくらしていて、その隙間から微かな呼吸がすうすう、規則正しく聞こえてくると、わかっていても馬鹿みたいに安堵する。寝息は子供みたいで可愛かった。寝顔はきれいすぎて怖いくらいなのに。冷たく、型から抜き出したように整った、冴え冴えとした青白い顔。いつもの彼女とは違う顔――。
「星名さん」
 呼び掛けたのは、ふと、寂しくなったからだ。
 クリスマスイブの夜、デートに誘った女性が眠り込んでしまって、相手にもされないなんて情けないにも程がある。肩を抱き寄せても起きてもらえず、その寝顔を見つめているだけなのは空しい。
 彼女は応えない。瞼をぴくりとも動かさず、ただただ眠り続けている。よほど疲れているんだろうか。それとも、義理のデートで会話すら億劫になるほど眼中にない相手だったんだろうか。そう思われているなら、癪だった。
「星名さん、起きてください」
 顔を近づけて呼びかけると、少しだけ下唇が動いた。
「ん……」
 気だるそうな声だった。フランス映画の雰囲気とよく似た、静かで重く、沈み込むような声。作り物の寝顔が反応を示したことに、なぜだか背筋が震えた。しかしすぐに規則正しい寝息が戻り、俺は自分でも意外なほどに落胆していた。
 寂しかった。空しかった。星名さんが眠ってしまったことが、辛かった。カップル共の笑い声を無視できないくらい。
 彼女が俺を、無視し続けていることが。
「起きないと、俺に何されるかわかりませんよ」
 俺はその下唇に指を伸ばしながらそう告げた。
 彼女は目覚めない。唇に軽く触れても瞼すら動かさない。指の腹でなぞると柔らかい感触に加えて、彼女の呼吸が感じられた。
 でも彼女の方は、何一つ感じちゃいないんだろう。
「……だったらもう少し、寝てればいい」
 寝てればいい、今はそう思う。俺に何をされたところで、彼女は何も知らずにずっと眠り続けるんだろう。夢にすら見ないまま、気づく機会もないまま、目覚めたらまたいつもの彼女に戻って『いい人』らしく振る舞うんだろう。頼りない年下の上司に対しても温かく、だけど当たり障りなく接してくれるに違いない。
 俺はただ、元を取りたいだけだ。このデートで何か得られるとは初めから思っていなかった。でも興味のない映画の上映中に、誘った相手は寝てしまい、よそのカップルには笑われるなんてあまりにもあんまりなクリスマスイブじゃないか。
 眠る彼女は知らないままだろう。自分よりも年下の上司が、自分をどんな風に思っているかということを、ずっと知らないままだろう。知ったところで相手にもしないだろう。知らない土地の支社に回されて、不安ばかりだった俺に、ひたすら『いい人』として接してくれた彼女。そんな彼女の心配りが嬉しくて、つい寄りかかってしまって、気づけば恐ろしいほどの速さで惹かれてしまったこと。クリスマスイブの夜、二人きりの残業を申し訳なく思いつつも、幸せだと感じていたこと。今日は予定がないと言われて、俺がどれほど喜んだかということ。何気なく、大義名分を掲げて告げたデートの誘いが、実はどれほど緊張を孕んだものだったか、ということ。なのに隣ですやすや眠られて、この上なく寂しく思っているのだということも――。
 下心は持ち合わせていなかった、それは本当だ。きっと叶えようもないと思っていたから、イブの夜を二人で楽しく過ごせたらそれだけでいいと思っていた。でも、全くと言っていいほど相手にされないのは悔しかった。そういう目で見られていないことはわかっていても、こっちはそうじゃなかったんだ。封じ込めておこうとした下心を、呼び覚ましたのは他ならぬ彼女だった。
 普段の彼女が手に入らないならせめて、いつもと違う作り物の彼女が欲しい。
 覚えているのは俺だけでもいいから。
 フランス語の台詞と静かな音楽が流れる館内。青白い光に包まれて、ためらう気はまるでなかった。彼女を抱き寄せたまま、その蒼い唇に近づく。吐息がかかる。
 次の瞬間、スクリーンが暗転した。

 エンドクレジットが流れ始めると、館内にも照明がぽつぽつと灯る。
 そして目の前にある彼女の瞼も、幕が上がるようにゆっくり開いた。
「あ……あれ? 私……」
 星名さんが二度、三度と瞬きをする。その後で、俺の顔が近くにあったことに驚いたらしい。目を瞠り、酷く戸惑った声を発した。
「え……、課長、どうかなさったんですか?」
「いえ、どう、ってこともないですけど」
 俺も反応に困り、思わず口ごもる。肩に回していた手を離せば、彼女は辺りに視線を巡らせ、やっと自分が寝ていたことに気づいたらしい。申し訳なさそうに詫びてきた。
「ごめんなさい、私、ずっと寝ていたんですね」
「気にしないでください、星名さん」
「いいえ、すみません。せっかく連れてきていただいたのに」
 眉尻を下げる彼女。先程までの感情の高ぶりが一気に引いて、俺の中には罪悪感ばかりが燻っていた。慌てて口元を隠しつつ、気遣わしげなそぶりで応じる。
「いいんですよ。お疲れだったんですね」
「それほどでもなかったつもりだったんですけど……」
 星名さんはそこで少し恥ずかしそうにして、
「きっと課長と一緒で、ほっとしてしまったんだと思います。お人柄に甘えて、つい気楽に振る舞ってしまいました」
 彼女にとっての俺は、つまるところそんなものらしい。誘われてついていった先で気楽にふるまえる程度の存在。肩を抱いていたことすらスルーされるくらいの存在。壁を感じていないようなのはありがたいが、上司と部下という関係を離れるのは、恐らく難しい。
「私がお願いして映画にしていただいたのに、課長、お一人で退屈ではありませんでしたか」
「いいえ。星名さんの寝顔を見てました」
 俺は内心を押し隠し、そう答えた。
「ずっと見てたんです。寝顔なんて、滅多に見られるものじゃないでしょうから」
 精一杯の虚勢を告げると、彼女は当たり障りなく笑ってみせる。
「からかわないでください。もう若くないですし、鑑賞に堪えうる寝顔じゃありませんから」
「そんなことは。きれいでした」
「お世辞なんてどうぞお気遣いなく。それより本当にすみません。誘っていただいたのに失礼なことをしてしまって」
 俺のフォローを容易くあしらう彼女。話題が戻りそうになったので、別のことを口にしてみた。
「今日は星名さんもお疲れでしょうし、お開きにしましょうか。また近々誘いますから」
「ありがとうございます。本当に優しいんですね、課長」
 優しさから誘ったわけではない。でも彼女には、完璧に社交辞令と受け取られたらしい。次の機会があるかどうかも怪しいものだ。
 下心も持たせてもらえないデートは、やはり前途多難だった。

 映画館のロビーへ出る直前、彼女の目を盗み、ハンカチで自分の唇をそっと拭った。
 口紅の色が生地にうっすらと移る。温かみのあるピンクベージュ。それを恨めしい思いで畳んで、すごすごとポケットにしまう。
 寝惚けていたのか、それとも興味もなかったのか。彼女は俺の唇にさえ気がつかなかった。抱き寄せて口づけても目覚めなかった彼女を、果たしてこの先、振り向かせる機会はあるんだろうか。
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