Tiny garden

夢で逢いましょう(1)

 五月半ばにして堪忍袋の緒が切れた。
 早すぎる、とは言ってくれるな。俺だって耐え忍んではきたのだ。何せ実際お付き合いするまでに俺が食らったお預け期間の長さと言ったらなかった。全ては愛ゆえに、じっと待って待って待ち続けてようやく楽しい男女交際を始めることができた。しかも藍子は七つ年下、恋愛経験においては若葉マーク付きと来ている。いろいろと初めてのことだらけで戸惑ったり、怖がったりもしていて、俺もできる限りのフォローはしてきたつもりだ。多少スムーズに行かないことがあったとしても、そこは年上彼氏らしい度量の広さで受け止めてやろうと、しばらくは考えてもいた。
 しかし合鍵を渡してからもう一ヵ月半が過ぎている。
 なのに、一度としてそれを使う気配がないのはどうしてだ。

 金曜の夜。俺はわざわざ退勤時間を彼女と合わせて、いつものように『送っていく』と告げた。
 彼女は無邪気なもので、
「ありがとうございます」
 なんて律儀に礼を述べ、何にも知らないそぶりでのこのこついてきた。
 二十四になったと言うのに、その無防備さは未だに赤ずきんちゃんレベルだ。俺がやけにそわそわしていることも気づかないし、視線が若干いかがわしい向けられ方をしてるって点もまるっきりスルーしている。そうして俺の車に乗り込んでシートベルトを締めて、ベルトのセットされる金属的な音の後でやっと、俺がベルトも締めなければエンジンもかけていないことを怪訝に思うんだろう。
 そういう彼女の鈍感さは真面目さによるものであって、真面目な子ゆえに潔癖なところもあるから、合鍵を使ってもらえない理由はそこなのかもなと推察したりもした。俺の部屋に来るイコールお泊りイコール何だかんだでやっちゃう、みたいなのがここ最近のお約束になりつつある。藍子は多分そういうのにまだ抵抗があって、合鍵を使う気がなかなか起こらないんだろう。そこはある程度理解できる。
 でも、貰ったものを全く活用しないというのももったいない話じゃないか。名刺の時だってそうだった、彼女はあれを後生大事に定期入れなんぞにしまい込んでいた。合鍵だって同じ憂き目を見ているのかもしれない。贈り主として、その境遇を思えばあまりにも不憫だ。
 ――いやもうこの際だからぶっちゃけるけどな。俺が寂しいんだよ! 来てくれないのも使ってくれないのも、何か寂しくて堪らないんだよ。

「……主任? どうかしたんですか?」
 藍子がやっと、予想通りの怪訝な顔をした。一呼吸置いてから更にはっとして、
「あ、じゃなくて、隆宏さん。な、何かありましたか」
 とりあえず退勤後だって事実も思い出したらしい。
 俺は未だにシートベルトも車のエンジンも放置したまま、駐車場のオレンジの明かりに照らされた彼女の姿を眺めていた。だんだんと不安げになっていく表情もほんのり明るく見えて、よくできた影絵みたいだなと思う。
「拗ねてんだ」
 と、俺は年甲斐もないことを正直に口にする。
 彼女が瞬きをした。
「どうしてですか?」
 赤ずきんちゃんは無防備かつ鈍感にもとぼけたことを聞きやがりました、『おばあさんはどうして拗ねてるんですか?』――おばあさんに化けた腹ぺこ狼さんは答えます、それはね、
「お前が一向に合鍵を使ってくれないからです」
「あっ。……ええと、そうでしたね」
 藍子は気づいた途端、猫背気味に項垂れた。すっかり定位置になった俺の車の助手席で、仕事上がりのスーツ姿で、俺の苛立ち混じりの答えに対して申し訳なさそうにしている。
「で、でも、使う機会がなかったんです。今まで」
「機会ぃ?」
 俺は俺で、わざとらしくやさぐれた声を上げてみる。
「そんなもん自分で作ればいいだろ。別に理由なくたって来てもいいんだから」
 エンジンをかける前の車内では、ここまでボリューム上げる必要もない。現に藍子の、直後にぼそぼそ言い出した声も聞こえた。
「いきなり伺ったらご迷惑じゃないですか?」
「迷惑だったら端から渡してない。ドラマばりにアポなしでいきなり『来ちゃった』とかやっても、俺はちっとも困らないからな」
 そう言って首を竦めてから、一応注意はしておく。
「困らないが、季節によっては昼間っからパンイチってこともあるからそこだけ留意しとけ」
「え、ええ!? 着ないんですか服を!」
「いつもではないがな。けど、うろたえるようなことでもないだろ。もう見たことあんだし」
 途端、藍子は黙って俯く。当然だが否定はしてこない。
 一人暮らしだから誰に気兼ねすることもなく、家で過ごす休日はいつも好き勝手な格好をしている。たまにやってくる新聞等のセールスはインターホンだけで応対する。向こうも男の一人暮らしと見るや長居しないから助かる。女の子だったらこうはいかないんだろう。
 閑話休題。合鍵の話に戻る。
「言っといたはずだ。使わなかったら拗ねるって」
 三十歳が立派な大人だと思ったら大間違いだ。いやむしろ、立派な大人だってたまには拗ねることだってあるんだ。俺なんてもう好きな子からは構われたくて構いたくてしょうがない人間だから、お前の態度如何では暴走しちゃうぞ。本気で攫うぞ。
 あの時言ったはずだ。金曜の夜にお前を攫って帰るくらいのことはする、って。
「それも、伺ってました」
 藍子は生真面目に頷いてから、シートベルトを締めたまま身体ごとこちらを向く。
「でも、あの、これまでのことについては反論してもいいでしょうか」
「聞いてやらなくもない。内容次第では強制執行するけどな」
「強制執行……?」
「いいから言え。お前にも言い分があるようだし」
 それで彼女は至って真剣に語る、
「合鍵をいただいてからも、何度か隆宏さんのお部屋にはお邪魔してます」
「そうだな」
 一応、全く来てくれなかったわけではない。
 何度か休日デートの後に連れ込んだりもしたし、四月にあった彼女の誕生日も平日ながら、俺の部屋まで連れてきて祝った。次の日は同伴出勤もした。あれは大変よろしいものでした。
 ゴールデンウィークだって一日だけだが泊まってってくれた。なぜ一日だけかと言うと、藍子はこの歳にして家族サービスなるものをする羽目になったらしく、他の日には親御さんと妹さんを乗っけて車でどこかへ出かけてしまったからだ。お土産に温泉まんじゅうもくれたが、五月の連休をまるまる空けとく気でいた俺の心は七分目程度までしか満たされなかった。誰もが食い物で癒される食欲の持ち主だと思うな。俺なんか別の欲の方がすごいんだから。
 別に、家族よりも俺を優先しろなんて言いたいわけじゃない。全ての休みを俺の為に使えと言いたいわけでもない。本音としてはどっちも言っちゃいたいがそれを言うとさすがに格好悪いから呑み込んでおく。それよりも、休みとお互いの予定ばかりに気を取られてやきもきしなくても済むよう、こんな時こそ合鍵を有効活用すべきだ。どちらかが夜しか空いてない休日や、仕事の退勤時間が合わなくて一緒に帰れなかった平日とかでも、合鍵があればより気軽に会えたりするのに。
「隆宏さんと一緒の時は私が鍵を使う必要もないですし、そうなると機会もないなって思ってました」
「そういう問題じゃないだろ。俺がいない時にだって来ていいんだぞ」
「隆宏さんがお留守の時は、お邪魔しても寂しくて、意味ないですもん」
「意味なくない。荷物運び込んどけって言っといたはずだ」
「私の物を置いたら、邪魔じゃないですか? 結構幅取っちゃいますよ、一泊でも荷物、いつも多いですし」
 藍子は遠慮がちにしている。そういう性格だってことも十分すぎるくらいよくわかってるが、ちょっと寂しくなる。
「俺たちの仲で遠慮とか、それこそ今更だ」
 もう結構、深いとこまで踏み込んじゃってる仲だと思うんだけどな。俺は藍子に、他の人間相手には言わないこととか、見せられない顔とかも晒してる。藍子だって少なからずそういうの、あるはずだ。そこまでの関係になってまで遠慮するなんて、他人行儀にも程がある。
「合鍵、貰ったの初めてか」
 尋ねれば、彼女は頷く。
 それもそうだろう、自分の家以外の合鍵なんて、恋人でもできない限りは貰う機会もないもんだ。少なくとも俺の三十年の人生においてはそういう機会しかなかったし、だから藍子にとってはあれが初めての合鍵だってこともわかる。自分の家じゃない鍵を貰って、戸惑う気持ちも少しはわかる。
「何か、どう使っていいのか、どう扱っていいのか、まだ掴めなくて……大切にしなくちゃいけないのだけはわかってるんですけど」
「落とされるのは困るがな。どうしていいのかわからなくて足踏みしてるだけじゃどうにもなんないぞ」
 試しに一度、使ってみりゃいいのに。お前が俺と一緒に経験してきた様々な『初めて』と、大差ないくらいの事柄だぞ。怖がる必要はない。使えば俺の部屋の玄関のドアが開く、それだけだ。
 そこからできるようになることは、計り知れない。
「いいから来いよ。俺がいない時だって来ていいから、いつでもいいから。それでお前の物とか、置いときたい物とか、少しずつでも増やしてけ」
 部屋とか、物置くとこが急に狭くなったって、文句言ったりしない。むしろ俺の中にお前が増えてくみたいで、すごく幸せに感じるはずだ。
 一人暮らしの部屋は自由気ままに過ごせるものの、自分の好きなものばかり置きたくなるのが厄介だ。自分しかいない、俺の色しかない部屋を時々、無性に味気なく物足りなく思うようになった。ここ半年くらいは特に、頻繁に。
 そこに差し色みたいに藍子がいたら、彼女の置いてってくれたものがあったら、いいなと思う。
「拗ねてるって言うかな。俺、寂しいんだ」
 年甲斐もない言葉が次々飛び出す。
「時々、お前が夢に出てくる。そのくらい寂しい」
 物足りなくて寂しくて、藍子のことをひたすらに考えまくった晩、俺は異常なくらいの高確率で彼女の夢を見てしまう。
 夢の中でも彼女はサービス精神に欠けていて、出てくる時は今みたいなかっちりしたスーツ姿であることが多い。そして夢だというのにまともに仕事をしたり、飲み会で美味しそうにビールを飲んでたり、俺の隣で車に乗ってたりする。たったそれだけの、記憶混じりの夢をたびたび見る。
「そんな遠くに住んでるんでもないんだから、もっと気軽に来て欲しいと思って、それで合鍵作ってやったんだ。たまにはこう、俺が帰った時に『おかえりなさーい』って言って笑顔で迎えに出てくれるような、そういう温かい光景が見たいんだよ。一人暮らしだと誰も迎えに出てくれること、ないからさ」
 まだ夢でも見たことがない、出迎えてくれる彼女の姿。
 もちろん、できれば現実で見たい。
「あ……」
 息を呑むような微かな声を発し、彼女が眉尻を下げる。
 それからぽつりと、
「……ごめんなさい。私、隆宏さんの気持ちも考えず、勝手なことを言いました」
「別にいい。俺も言った」
 建前で適当なこと言われるよりは、本音でぶつかれた方がずっといい。
 この期に及んで俺は、誰かを怒ったり叱ったりするのが苦手だ。ちょっとのすれ違いや食い違いは俺が堪えればいいことだし、いちいち言わなくてもいいんじゃないかって今でも思ったりする。五月になってからうちの課にはまたルーキーがやってきたが、そいつのこともなるべく怒らずに済んだらいいんだけどな、などと甘っちょろいことを思っていたりする。
 でも、藍子に対しては違う。ちゃんと言うべきことは言いたいと思うようになった。俺は彼女のことを片時も離したくないほど好きだし、生涯懸けてもいいほど大切だと思ってるから、これから先も長く長く一緒にいる為にこそそうしたい。甘やかすだけとか我慢するだけじゃなくて、お互いの為にできることはするし、して欲しいと思うことは素直に言う、そういう関係になりたかった。当然、藍子にだってそういう風に――俺に対する不満とか苛立ちとか直して欲しいとことかがあれば正直にぶっちゃけて欲しいんだが、彼女の性格からしてなかなか言ってくれそうにないから、とりあえず俺が率先して言ってみることにしている。そうしてお互いぶっちゃけやすい空気を作っていけたらいい。
 ただ、
「隆宏さんは悪くないです。考えが足りなくて、ごめんなさい……」
 ちらりと助手席側を窺って、藍子の神妙な顔つきを見た時は、ちょっと攻め方を間違えたかなという気もした。
 しゅんとさせたかったんじゃない。こんな湿っぽい空気を作りたかったわけでもない。もっと軽いノリで『合鍵使ってくれない悪い子は狼さんが食べちゃうぞー!』みたいに言ってもよかったんじゃ、と後から思ったりもする。甘いですかね。
 まあそれは、後から口直し的に言ってみたっていいわけだし。藍子はいい子だ。俺の言ったことをきっと理解してくれるだろうし、その上ですっかり湿っぽくなった空気を乾かすことにだって手を貸してくれるはずだ。
「お前、明日は暇か?」
 合図のつもりで声をかけると、藍子はものすごい勢いで顔を上げ、
「は、はい! 暇です!」
 元気よく答えた後で更に勢い込んだ。
「なら、明日こそ合鍵使いましょうか? 私、一人で電車乗って隆宏さんのおうちに行きますから! 何でしたらお夕飯の材料も買って行きます、あの、まだちゃんと作れるのカレーと豚汁だけなんですけど……でもどちらも食べれる味ではあるかと思いますし! えっと、とにかく明日は隆宏さんに絶対、寂しい思いとかさせません!」
 息もつかせず一生懸命訴えてくる彼女は本当に可愛くてひたむきで、愛されてんなあ俺、とつくづく実感してしまう。そうとも、合鍵を使ってもらえないことで彼女の愛を疑ったりはしない。全ての問題は恋愛以前の、人生経験レベルの微妙な温度差にあるのだ。
 ってことで、俺もにやっとする。
「そこまで言うならもうちょいサービスしろよ」
「あ、じゃあアイロン掛けもしましょうか。最近上手くなったって言われるんです」
「そうじゃなくて。明日とか言わずに今から来い」
 車のエンジンをかける。
 唸り始める愛車の中、藍子はまだ事態を把握していない様子で、
「え? 今からって……今からですか?」
「そう。このままお前を攫って帰る、前に言っといただろ」
 解説してやればようやく呑み込めたらしく、急に慌てふためきだした。
「本当なんですか!? で、でも私、何の用意もしてなくって」
「合鍵使ってなかったお前が悪い。反省しろ」
「あの、それはごめんなさい。だけど着替えとかも全然ないんですよ!」
「心配すんな。Tシャツくらいは貸してやる」
 むしろカッターシャツでお前の無限のポテンシャルを見せつけてくれてもいい。何着ても可愛いっていつも思ってるが、俺の服を着たってきっと、すごく可愛いに決まってる。男物の服にふんわり包まれちゃってるフォトジェニックな彼女。是非画像にそして映像に残したい。まあ本物には断然敵わないですが、これも一つのいい思い出かと。
 ――と、一人暴走する俺をよそに、藍子はまだ慌てている。もじもじしながら言ってきた。
「だったらせめて、その、替えの下着……だけでも買わせてください」
「別に要らないだろ、洗濯しといてやるし、どうせ着けてる時間の方が短――」
「買わせてください!」
 俺の言葉を遮る為だけに声を張り上げた感のある彼女。事実じゃねーかと俺はにやにやしたが、ともあれ買い物自体に異存はなく、彼女の指定した衣料量販店まで足を運ぶことにする。
「それと、ドラッグストアにも寄っていただけると嬉しいです」
 攫われていく立場の割にはいろいろ要求してくる。
 まあいいけどな。変に遠慮されるよりは。
「何か買うのか」
「化粧水とか、歯ブラシとかです」
 藍子は久しぶりにはにかみ、後で言い添える。
「そういうのを買って、隆宏さんのおうちに置いていきますから」
 わかってるじゃないか。やっぱり彼女は、いい子だ。

 かくして俺は、まんまと赤ずきんを攫っていくことに成功した。
 衣料量販店へ向かう道、車内では彼女が親御さんに電話をかけている。
「――あ、お母さん。うん、さっき仕事終わったとこ」
 誰と話す時よりもくだけた口調の藍子が可愛い。ついつい耳を澄ませたくなる。
「あのね、これから主任のおうちにお邪魔するから。えっと、泊まっていく……から」
 何となく言いにくそうにしているところも可愛い。しかし家では俺のことを未だに『主任』呼びしているようなのは密かに気になる。すみません、上司のくせにお嬢さんに手を出してすみません。ちゃんと責任取って一生面倒見ますんで!
「――え? ううん、それは大丈夫。ちゃんと失礼のないようにしてくるから」
 お母さんは藍子に何と言ったのか。
 藍子のきっちりかっちりしたビジネスマナー遵守っぷりは間違いなく親御さんの教育によるものなんだろう。失礼のないようにとか、そういうのは別にいいのに。
「――え、何?」
 彼女が不思議そうに聞き返し、電話越しには何らかの答えがあったらしい。少し笑った。
「そうだね。主任にもお話ししておく」
 会話に俺が登場しているらしいとわかると、こっちもちょっとそわそわしてくる。何て言われてんのかな。最近泊まりが多い、とか眉を顰められてないといいんだけどな。
 でも藍子のご両親は、彼女の外泊に今のところ寛容だ。もう二十四だからというのもあるんだろうが、藍子がそのことについて何か注意を受けたという話は聞かないし、こうして電話しているのを聞いていても反対されている様子はない。真面目なのは親子同じのようだが、堅いのは藍子だけなのかもしれない。
「――あ、そっか。今日は金曜だよね」
 と、藍子がまた笑う。それから問い返す。
「今日の映画、何?」
 映画?
 俺も一瞬疑問に思い、すぐに気づく。そうだ、今日は金曜日だ。
「――ううん、観たことない。録画しておいてくれると嬉しいな」
 そうしてあどけない表情で答えた彼女を、俺は横目でだけ見た。
 攫われていく真っ最中にテレビでやる映画の話なんて、暢気なもんだ。この赤ずきんちゃんは警戒心もないが、危機感だってなさすぎる。そんな調子で一体何度、狼さんに食べられてしまったのやら。
 でも、狼さんだって大概単純だ。彼女を連れて帰れるってだけで浮かれてしまって、合鍵の話すらどうでもよくなりつつある。だって藍子がいてくれたら寂しいって思うこともないわけだし、そしたら合鍵の必要だってない。
 彼女さえいれば、俺はいつだって満たされてる。
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